ところが出版間際になって、同じ題名の本がよそからでたために、
改名を迫られ「邱永漢・成功の法則」という題名になりました。
 

「私は経済の現象を観察していて、その中に流れている傾向を、
一つの法則としてとらえる癖を持っている。
帰納的思考を直感でとらえる遊びとでも言うべきものだろうか。」

この邱さんの思考の遊びで31講の法則が整理されました。

この『邱永漢・成功の法則』は初版から10年ばかりたった
昭和59年に2回目の全集「Qブックス」シリーズの一冊として
『成功の法則・金儲け論語・31講』と題して再版されました。

その「あとがき」で邱は書いています。
「訓戒めいたことを語るのは、私の性に合わないのだが、
大学の講義みたいに、31講に分けて講釈した形をとると、
すぐにも腐ってしまうような話をするわけにもいかないから、
どうしても、原則論を述べてしまう。
つまり私たちの日々、変化してとどまることを知らない
生活の中を流れていながら、一貫して変わらない原則となると、
十年たって読みかえしてみても、
不思議にも少しも古くなっていないのである。

というよりも、書いた時にすでに新しくないことを書いていて、
その時は気がつかなかっただけのことかもしれない。」
(Qブックス版『成功の法則』)
 

たまたま、私は会社で「新規事業開発」の仕事を他県したことがあり、
その後で、この本を読むと、思い当たるところが多々あり、
頭の整理に役立った経験があります。

だから「仕事の開発」に取り組んでいる人から相談を受けたら、
イの一番でこの『成功の法則』を推挙します。