「悪い世の中に生きる知恵」は昭和53年10月から
昭和54年6月まで『週刊ポスト』誌に連載され、
昭和54年8月に発刊された作品です。

「『悪い世の中』とは食うや食わずの

飢餓線上をさまよう世の中のことではなくて、
高度成長期にも遭遇しなかったような新しいトラブルに
直面させられる世の中ということなのである。

そういう『悪い世の中』をどう生きるかは、
私たちに共通の問題だが、この問題の解答者として、
私が一番適当な人間ということではない。

ただ、私は、日本が高度成長をして世界の富裕国に
おどり出るだろうことを予言した数少ない人々の一人であること、
また私の経済学は天下国家を論ずる
大上段に構えた『治国学』でなく、
『欲と二人連れ』で世の中の変化にどう対処していくかという
『斉家学』であるために、
週刊誌の読者向きであると考えられたのであろう。」
(『悪い世の中に生きる知恵』まえがき)。

この時期に、日本人が直面したのは
「コスト高とインフレと、生産過剰と資源不足に 
どう対処していくかという こと」(同上)で、
「企業や一人一人の個人がどこに生きる道を探すかは、
私がこの本で述べてたことからそう遠くへは脱線していくことはないであろう」
と著者は述べています。

実はこの文章を書いている小生が最初に読んだのが
この本です。一人の個人としてこの本から多くの有益な
アドバイスを送っていただきました。

数えると、本を手にしてから40数年の時間が経ち、
こうして、邱の作品の要点を伝えるようになっています。